勝間さん、努力で幸せになれますか [書評]

という本の勝間和代と香山リカの対談本を読んだ。

内容は、カツマー的な生き方に否を唱える香山リカと
それを受けて立つ勝間、という図式なのだけれど。

この対談に至る経緯なども、
別におもしろくはないけれどネット上には
溢れているので読んでみると「へ~」くらいは
思うかもしれません。

私の感想としては。

香山リカの能天気さにプンスカプンスカでした。
ネット上の評価を斜め読みしてみると、
概ね「さすがは香山リカ」的な意見が目立っていましたが、
私としては「なんで?」という感じです。

というのは、
香山リカというのは、成功者な訳です。
にもかかわらず、香山が勝間批判で
繰り返しているのは
「普通でいいじゃないですか」
「成功を目指さない幸福もあるんですよ」
「私なんてボンクラであなたとは違って
本当に日常の些細な出来事で幸せを感じてますが?」
「私は成功するために努力なんてしたこと
ありませんし、できませんよ?だって
一般庶民と同じく私はボンクラですもの(キリッ」


香山リカを成功者だと思わない人は日本にどれくらいいるだろうか?
日本の精神科医の中では最もといっても
いいくらいに有名。(香山に興味のない私でも顔と名前が一致する)
有名人、なのである。
承認欲求、満たしまくりである。この人。
というか若い頃からチヤホヤされてるから、
承認欲求の乾き、なんて未経験かもしれない。
いやホントに。
本を書けばこの本をはじめとしてべストセラー連発。
ルックスもそこそこいい。
決してブスではない。
お金も美貌も(それなりに)、地位も名声も全て手にしている、
手にしてきたのが香山リカ、なのだ。

そして彼女は自らが執拗にそう繰り返しているように
「なんの努力もせずに」その位置に気づいたら付いていた
人物なのである。

香山が勝間を批判するときに言う主張は要するにこれである。
「勝間さんは努力して努力して成功を掴んだ人。
でも、本当に努力して努力して成功って追わなければ
いけないものなの?」

これを、何の努力もせずに成功してきた人が、
いや、だからこそ言えるのだろう。こういう能天気なことが。

能天気なこととは、
もちろん香山のように学歴も美貌も地位も名声も
金も持っていない、大多数の、そう、
香山が代弁しているつもりの一般人、我々と
自分の立ち位置の違いについてだ。

香山は自分がいかに恵まれた場所にいるかに
無自覚である。
無自覚であるから、必死に恵まれない境遇にいる
者達が努力しているのが不思議でならない。
そこに精神科医の使命感だかなんだかしらないが、
そういうものをふりかざして勝間批判をする。
で、また弱者達から印税収入をたっぷり得て、
香山はまた一つ、成功していくのである。
香山自身は、嘘か本当か知らないが、
「成功なんて無理して目指すものじゃない」と
言っているのにもかかわらずだ。
ていうか、香山の患者はなんでこの点について
気づかないのだろう?
「先生、世の中は先生みたいに恵まれた人達だけじゃないんだよ!」
と。


ということで、勝間はどちらかと言うと
うざいなーという私だったが、相対的に
「だったら勝間の方が努力した分だけ好感持てるわ!」
とプンスカプンスカな読後感であった。

というより、上記の構造に気づいてからは読む気
なくして、というよりむかついて読めなくなってきたので、
流して終わったが。

どうでもいいけど、香山の対談の第一声がこれです。

「いきなりですみませんが、勝間さん、
自分と違う人がいるということ、わかります?」

これには度肝を抜かれた。
なんという強烈なジャブ。いや、のっけからストレート。
これほどまでに挑発的な、相手を見下した発言はない。
これ、マジですからね。マジで対談の冒頭の発言がコレです。
完全に勝間をバカにしてます。
なんなんだこの女は。たまげた。
あと、あえて言うが、
その言葉、そっくりあなたに言ってあげたいです。

買ってません。図書館で借りました。





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。